インプラントの種類
現在の安全性が高いインプラントのシステムが確立されるまでには、様々な形状、材料で作られたインプラントがありました。
現在では、純チタン、チタン合金の、歯根に似た形状をしたインプラントが主流ですが、長さ、太さ、表面性状、形状などが違う、たくさんのインプラントが存在しています。
現在も、より多くの症例に適したインプラントを提供できるよう研究が進められ、様々な長さ、幅、形状をしたインプラントが製造されています。
代表的なインプラントシステム
全世界で100種類以上のインプラントが存在すると言われていますが、国内外を問わず、代表的なインプラントシステムは、ブローネマルク・インプラント(NobelBiocare社)と、ストローマン(ITI)・インプラント(Straumann社)です。
また、日本では、ブローネマルクと同じNobelBiocare社が製造する、リプレイスセレクトや、アストラテック(Astrateck社)インプラントなども、メジャーな存在です。
国産のインプラントとしては、POI(日本メディカルマテリアル社)や、AQB(調べて記入)などが知られています。
現在のインプラントは純チタンかチタン合金のものがほとんどです。
チタンの表面は、より骨と強固に結合できるよう、酸処理やプラズマ溶射等、各種処理が施されていますが、中にはハイドロキシアパイタイトをコーティングしたタイプのインプラントもあります。
代表的なインプラントメーカー
メジャーなインプラントのほとんどは、世界各国に支社や現地法人を持つ、大規模な医療機械製造企業によって、製造されています。
世界的なシェアとしては現在、NobelBiocare社が(ブローネマルク、リプレイスセレクト、ノーベルダイレクトをあわせて)24%、Straumann社(ストローマン(ITI)インプラント)が18%、Baiomet3i社(3iインプラント)が11%、Zimmer社(スイス・プラス、スクリューデント等)が8%、Dentsply社(アンキロス、ザイブ、フリアリット2等)が6%、残り33%をその他のインプラントメーカーで配分しているようです。
ブローネマルク
Nober Biocare社(ノーベル・バイオケア社):スウェーデン
ブローネマルク博士の研究を元に開発されたインプラントです。40年の実績があり、世界的に普及しています。2回法で行うことが多く、治療期間が比較的長いのが特徴です。
インプラント体が長く大きい傾向があるため、アジア人や日本人の治療には、骨の幅や厚さの関係から、扱える症例が限られる傾向があります。
ストローマン(ITI:アイティーアイ)
Strauman社(ストローマン社):スイス
ストローマン・インプラントは代表的な1回法のインプラントで、スイスのベルン大学とストローマン研究所との協力で開発、1974年に臨床応用された、歴史ある信頼性の高いインプラントです。
骨結合が早く得やすい表面処理が、特徴の一つです。
ストローマン・インプラントの最大の特徴は、研究に対する取り組みに特に力を入れている点で、ITI(International Team for oral Implantology・口腔インプラント学のための国際チーム)という、非営利の大規模な学術機関と密な連携体制にあります。そのため、ストローマン社のインプラントは長らく、ITIインプラントと呼ばれてきました。
研究にかける費用はインプラントメーカーの中で随一で、豊富なデータや研究結果に基づいた、信頼性の高いインプラントを作り続けています。
ストローマンインプラントは、インプラント体が比較的小さめのため、日本人に合いやすいインプラントシステムです。
リプレイスセレクト
Nober Biocare社(ノーベル・バイオケア社):スウェーデン
リプレイスセレクトは元々、アメリカの「ステリオス」というインプラントでしたが、数年前、ノーベルバイオケア社が吸収合併し、リプレイスセレクトという名前に変わりました。
同社のブローネマルクインプラントは長めのインプラントのため、骨の厚みや高さが少ないケースでは使用が難しい傾向がありましたが、リプレイスセレクトは短めのインプラントのため、骨の厚みや高さが少ないことが多い日本人に向いているインプラントであると言えます。
リプレイスセレクトはブローネマルクの器材が使用できるため、ブローネマルクからリプレイスセレクトに乗り換える歯科医院も増加してきています。
3i
Biomet 3i 社 :アメリカ
3iインプラントは日本ではそれほどメジャーなインプラントシステムというわけではありませんが、アメリカでのシェアはトップクラスで、世界的にも第3位という高いシェアを誇っています。
一般臨床施設研究での臨床評価で、高い成功率をあげており、FDA認証を得ています。
※FDA=米国食品医薬品局
スイスプラス
Zimmer Dental社(ジンマーデンタル社):アメリカ
スイスプラスは、スイスで開発されたITIインプラントを模倣して、アメリカで作られたインプラントです。スイスのITIを越えられるようにとスイスプラスの名前が付けられています。
表面はSBMブラスト処理によりザラザラした性状になっており、このことがインプラント体と骨との結合「オッセオインテグレーション」を促進しています。
アンキロス
Degussa社:ドイツ
アンキロスインプラントは1985年に、フランクフルト大学のG.H.Nentwig教授と、チューリッヒ大学のW.Moser工学博士により開発されたインプラントシステムです。
アンキロスインプラントの表面はサンドブラスト処理で、上部構造に負荷がかかる段階での骨吸収を減少させるといわれています。
インプラント周囲の組織の状態の安定性が高いインプラントシステムであるといわれています。
アストラテック
Astra Tech社(アストラテック社):スウェーデン
アストラテック・インプラントは、スウェーデンのアストラテック社が製造しているインプラントシステムです。
アストラインプラントは、二酸化チタン(TiO2 )の粒子をフィクスチャー表面に吹き付けて表面をブラストすることにより、表面を均一な粗造面にして、骨組織との機械的な結合をより強固にするというものです。
長い歴史のあるインプラントシステムではありませんが、ブローネマルクのシステムの複雑な面を改善し、ITIの利点を取り入れたシステムであるといわれています。
